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香取研究室(統計物理学・数理物理学研究室)

新入生に対する「学科紹介」でのスピーチ 香取眞理(2006年4月4日)


[研究テーマ]

私は揺らぎの物理と数学に興味があります.量子力学での揺らぎは不確定性から生じる原理的なものであり,演算子の非可換性によって表現され,波動関数で記述される非局所的な状態(量子状態) を保つことになります.他方,統計力学での揺らぎは,『アボガドロ数という膨大な数の原子や分子からなる系に対しては,ミクロな状態を完全に指定し制御することは無意味であり,情報の縮約によって生じるランダム性こそが大切である』という見方から発生するものです.統計力学の揺らぎを使うと,環境変化に対する系の応答を表すことができます.このように,量子力学における揺らぎと統計力学における揺らぎとは,まったく別物のように見えますが,無限個の粒子の量子状態を扱う量子場の理論や,散逸を伴う非可逆な現象を扱う非平衡統計力学を考えていくと,不思議なことに両者の違いは薄れ,むしろ両者に共通する揺らぎの本質論に迫らなければならなくなるのです.

2009 年度の卒業研究でも,揺らぎをテーマとします.前期は私が指定し た専門書あるいは論文を皆で輪講して,良く勉強してもらいます.その過程で,各自は研究テーマを見出さなければなりません。そして後期は,各自で,あるいは小グループを作って,深く研究してもらいます.

このところ毎年,11 月の大学祭では卒研生が中心になって研究発表 (パネル展示) をしています.来年度も大いに活躍してもらうつもりです.

研究室では大学院生たちや助教の小林奈央樹氏と一緒に

(1) ランダム行列理論と確率過程, フェルミ場の量子論 [アンドラウス]

(2) リーマンのゼータ関数のような数論的関数と確率過程

(3) 量子ウォーク模型と群の表現論・特殊関数論 [佐藤(史)]

(4) 臨界現象・フラクタルパターンとSchramm-Loewner 方程式 [佐藤(史)]

(5) グラフ理論と格子上の統計力学模型 [山崎]

(6) 自然界や社会現象に見られるべき乗分布や対数正規分布

などについて研究しています.上述の卒研生の発表内容とともに,研究室のホームページ (http://www.phys.chuo-u.ac.jp/j/katori/) に活動記録や資料 (写真や pdf.file) がありますので,参照ください.

私の研究室での卒研および大学院進学に興味ある人は,直接私を訪ねてください.(居室:1 号館 5 階 1538 室, e-mail: katori@phys.chuo-u.ac.jp) .卒研の具体的な計画や大学院での研究課題について、相談しましょう.

香取眞理

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2008 年度集合写真
2007 年度集合写真
2006 年度集合写真